今回は精神科病院におけるインテーク面接の聞き取り例をご紹介します。
精神保健福祉士の養成期間はほかの専門職種に比べて短いため、現場に出てから学ばなければならないことがわりとたくさんあります。
インテークもその一つですが、まだ経験の浅い方や周りに聞ける先輩などがあまりいない方は、聞き取り例としてご参考にしてください。
インテーク面接とは?
インテークは、原則としてクライエント本人から聞き取りをします。
ですが、病状などの都合で本人から直接お話を聞くのが難しい場合は、本人をよく知る家族などから聞き取りをします。
下記が具体的な内容です。連絡先、保険、障害者手帳の有無、障害年金の受給の有無などの基本情報以外の部分にあたります。
既往歴
- 病名
- 感染症の有無
- 禁忌
- 大きなケガ、病気
- 入院歴
家族歴
- 家族構成
- 家族の精神科受診歴
生活歴
- 出生地
- 両親の職業
- 兄弟姉妹
- 最終学歴
- 職歴
- 婚姻歴、離婚歴、子どもの数
- 飲酒歴、喫煙歴
- アレルギー
- 利用しているサービス
- 病前性格
- 趣味
- 信仰
現病歴
- 何に困っているのか
- 現在の症状が始まった時期
- 相談機関
- 治療内容とその結果
その他
- 今後の希望 など
聞き取りの際に気をくばること
情報収集のための、ただの聞き取りにならないよう心がけていました。
本人の症状や家族関係、経済状況など、普段はわざわざ人に話さないようなことを話してもらうわけですから、プライバシーに十分配慮するよう気を付けていました。
私がインテークを取っていたときに、高齢の患者のご家族から、
「他の病院でこのようなことを聞かれたことはなかった」
と言われたことが何回かありました。
他の病院と言うのは、精神科病院ではない一般病院のことを指しています。
聞かれるほうにしてみれば、一見病気と関係ないようなことまで根掘り葉掘り聞かれているような気分になってもおかしくありません。
精神科では本人のバックグラウンドを理解するために、またできる限り本人の希望に沿った支援の方向性を決めるために聞き取りをします。
そのことをきちんとご理解いただいた上でお話を始めると比較的スムーズでした。
具体的には事前にお電話で、来院の際に成育歴などを聞き取ること、お時間をいただくことの2点をお伝えしていました。
先ほどご紹介した内容例はあくまでも参考例です。
自分が病院に入職したときに知りたかったことをご紹介しました。