精神保健福祉士が紹介するアセスメント技術についてよくわかる本!

スキルアップ

「アセスメント技術を高めるハンドブック」という本をご紹介します。

精神保健福祉士は、ほかの専門職種にくらべると、養成課程も実習も比較的短い期間で現場に出なければなりません。

本書は専門職として成長したい、もっとスキルを身に付けたいという方にぜひおすすめです。

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インテークとアセスメントの違い

インテークとアセスメントは「全くの別物」です。

インテークは情報の収集・整理です。情報の整理は具体的にはジェノグラムやエコマップなどを活用します。

一方のアセスメントは、情報の理解・解釈を元に仮説をたてる作業です。

全くの別物、レベルが違う作業であることが本文で強調されています。

特に印象的だったのは、インテークを取ってアセスメントをした気になってはいけない、というような内容でした。

いわれてみればそのとおりです。成育歴や病歴、家族構成をいくら詳細に正確にまとめ上げても、それはあくまでも情報の整理です。

下記は、アセスメント定義と基本的枠組みについて本書からの引用です。

一つ一つの情報を自分なりに解釈し、それらを組み立て、生じている問題の成り立ちmechanismを構成し(まとめ上げ)、支援課題を抽出すること、あるいはその人がどんな人で、どんな支援をひつようとしているのかを明らかにすること

近藤 直司著 「医療・保健・福祉・心理専門職のためのアセスメント技術を高めるハンドブック」明石書店

インテークとアセスメント、そしてプランニングに必要なのは整合性です。

アセスメントを土台にしたプランニングについても本文には詳しく書かれています。

それぞれ整合性が保たれているかを振り返って確認する作業が、支援が的外れな方向に行くのを防ぐ手立てになります。

アセスメントは途中で見直しが可能

アセスメントは途中で見直しが可能です。

情報収集と違って考える作業なので頭を使います。

また自分なりのアセスメントをたててみても、果たしてこれが正解かと自信が持てません。

しかし、そうやって自分の頭で考える作業こそがじつは大切な過程です。

大切なのは自分で見立てをしてみること。

まずは自分なりの解釈を言語化して、それからほかの人のアドバイスを求めるやり方を本書から学びました。

インテークとアセスメントの関係に焦点をあてて述べてきましたが、本書はプランニングや効果的なケース会議の進め方についても指南があります。

1冊で多くを学べる本だと思います。