今回は『スマホ脳』と同じ作者による本の紹介です。作者のアンデシュ・ハンセン氏はスウェーデンの精神科医です。『スマホ脳』は世界的ベストセラーとなりました。
衝撃的なタイトルなので、一度は手に取った方も多いのではないでしょうか。
ADHDの特性を強みに
この本はADHDに特化した内容ですが、その特性を強みに変えていくための実践方法が並べられています。
私は発達障害に関する相談の場面で「特性」という言葉をよく使いますが、実際にこの本で「特性」という言葉は使われていません。本文中は「ADHDの傾向」と表現されていることが多いように感じました。
表現自体は特性でも傾向でもかまいませんが、本書ではADHDは広いグレーゾーンという前提のもとで書かれています。
ADHDは遺伝性
ADHDは昨今注目され始め、しかもその割合がまるで増えているかのような印象をメディアなどによって受けることがあります。ADHDを含む発達障害について、生育環境や食生活が原因だとか、脳波でわかるとか、ネットにあふれる情報は玉石混交です。
しかし、ADHDの傾向は多かれ少なかれ私たちは皆持っているということが述べられています。そして、それは遺伝によるものです。
要するに、生まれつき持っているというもので、生活環境や食生活で発症するものではありません。
この辺りがまだ世間の認識が追いついていないようなので、強調したいと思います。発達障害は脳波検査で診断がつけられるものではありません。
ハイパーフォーカス脳
ADHDは気が散りやすい一方で、「ハイパーフォーカス」という特徴があります。これは、興味・関心があることには時間を忘れてものすごい集中力を発揮する状態のことです。
ADHD特性の強い人は、ハイパーフォーカスできる作業を仕事や創作活動に向けると、大きな強みになります。
情報は出典が最重要
先ほども述べたように、今やネットには玉石混交の情報があふれています。安易なチェックテスト、私たちの不安をあおる無責任なコメント、気軽に集めた情報で書いたコタツ記事などなど。
発達障害に限りませんが、特に健康にまつわる情報は、出典が明らかで信用に足る情報を取り入れてもらいたいと思います。その点でも、こちらの本はおすすめです。
身近にADHD傾向のある人がいる方はその方の世界がより理解できますし、ご自身が特性で困っている方は強みに変えるヒントが見つかるかもしれません。
発達障害に関する本
今回はADHDに特化した本をご紹介しましたが、発達障害についての関心がある方には、こちらもおすすめします。
日本で初めてADHDの専門外来が開かれた昭和医科大学烏山病院で、大人の発達障害の第一人者として臨床に携わってきた医師によるものです。
今回ご紹介した本はこちらになります。同じ作者による「スマホ脳」も気になる方は、ぜひ一度ご覧ください。
