今回は、現場実習を控えている方、メンタルヘルスや精神保健福祉士に関心がある方に向けて私自身の経験を元に実習心得についてお話します。
実習前は漠然とした不安でいっぱいですよね。
実際に私もそうでした。
しかし、実習前は不安があって当然だと思います。
精神障害を持っている方とどのように接したらいいのだろう?
実習指導者の方とうまくやっていけるだろうか?
精神科病院って実際どんなところだろう?
実習記録は毎日きちんと書けるだろうか?
などなど不安は尽きませんでした。
実習免除への淡い期待
かくいう私は、専門学校入学前から何とか実習が免除されないものか考えていました。
受験資格には、実習科目を履修していることが条件に含まれています。
ただし、実習科目に換算が可能な実務経験を満たしていれば、実習免除になります。
公務員時代に、例えば福祉部門や保健部門での経験があれば免除される可能性がありました。
社会福祉士の資格があるとはいえ、事務畑にいた私は実習に代わる実務経験はありませんでした。
入学と同時に、実習に行く覚悟を決めました。
現場実習は医療機関と施設の2ヶ所です。
精神科病院と就労継続支援B型事業所に14日間ずつ行きました。
結論から言うと、実習に行って良かったです。
短い期間とはいえ、貴重な学びの機会となり実習指導者やスタッフの方に心から感謝しています。
各実習生には実習指導者の方が付きますが、実習指導者は国が定めた研修を受けています。
当時はわかりませんでしたが、実習指導者の方は実習の重要性を、実習生よりも深く認識されていたと今になって実感します。
それがわかったのは、自分が資格取得後に精神科病院でPSWとして勤務するようになってからです。
たった2週間の病院実習で、国家試験に合格し採用されたら一職員として現場に入るわけです。
私のほうが「こんなわずかな経験で本当に現場に入っていいの!?」という気持ちでした。
他の専門職の実習期間に比べると、精神保健福祉士の実習期間はかなり短いのではないでしょうか。
私の場合、実習指導者の方が、診察や病状説明、退院支援委員会への同席、アセスメント作成、デイケア、外出同行など挙げるときりがありませんが、できる限りのいろいろな機会を作ってくださいました。
ほんのわずかな実習だけで、あとは専門職として現場に入らなければならないことを知っていての配慮だったと思います。
実習前のおすすめ対策
施設実習は8月、病院実習は11月に行きました。
8月といえばスクーリング真っただ中でした。
レポート提出に追われ、スクーリングに出席し、試験対策はほとんど手も付けられていない時期でした。
そんな中、施設実習で就労継続支援B型事業所での実習が始まりました。
あるとき実習指導者の方から、ジョブコーチ制度について聞かれたときに、私は焦ってしまいました。
聞いたことはあるけど、授業でもレポート学習でもまだ出てきてないかも、と心の中で思いました。
しかし、実習生を受け入れる側としては、学生は学習しているであろうと考える内容だったでしょう。
上記はほんの一例ですが、実習時期がさらに早ければ、もっと基礎学習が追いついていない段階で実習が始まるケースもあるかと思います。
レポート学習やスクーリングで、例え全く手が付けられていない分野であっても、精神疾患や実習先施設に関連する制度などは事前に予習しておくことをおすすめします。
精神科病院に実習に行かれる方は、「入院形態」は必須、「退院後生活環境相談員」、「医療保護入院者退院支援委員会」についても予習しておくといいでしょう。
実習免除にならないかなぁ、なんてぼんやり考えていた私ですが、実習に行って本当に良かったです。
私の場合は、幸い「こうありたい!」という支援に実習先で出会うことができました。
逆に、実習に行かれて、もしかしたら「ちょっとこれは・・・」と思う出来事に遭遇する可能性もあるかもしれません。
そんなときは信頼できる先生に相談したり、実習先が別の学生と意見交換したりするといいと思います。